スライド目次
決定版シナリオ

フリーランスの「自由」と
「社会のルール」

〜理由があってまだ働けないケンタが、
自宅で少しずつ社会に出ていく物語〜

表紙
1
#1

冒険の始まり

ケンタ:
「事情があって、今はまだ外で働けない。
でも、好きだったパソコンで仕事なら始められるかも」

2
#2

小さな一歩

自宅でホームページ制作の仕事を受け始めた。
「これなら自分のペースでできる」

3
#3

領収書はゴミ?

「家計簿なんてつけないし、
こんなのただの紙だろ。ポイッ」

4
#4

体調を崩した

風邪っぽくて熱が出た。
不安になって病院へ。

5
#5

財布が空になる

会計:「お会計、2万5千円です」
「えっ… 保険証がないと、こんなに高いの?」

6
#6

病院窓口の衝撃

受付:「保険証が期限切れですね。
全額自己負担になります」
親の扶養を抜けていたのに、手続きをしていなかった。

7
#7

届く赤い封筒

「役所から、住民税・国民健康保険・国民年金の納付のお知らせ?」
「役所の書類だし、払わなくても見逃してくれるでしょ?」
軽い気持ちで、つい後回しにしてしまった。

8
#8

督促が止まらない

納付額が増えていく

放置すると延滞金がのって、どんどん金額がふくらむ。
督促状が続いて、不安が大きくなる。

9
#9

信用が足りない

「気に入ったアパートに申し込んだのに…」
「収入を証明する書類がないと、
契約や審査が通りづらいんです」

10
#10

自由の正体

「自分でできる仕事を見つけたのに…
ルールがわからないと、こんなにもいろんな所で苦労するんだ」

11
#11

マネー先生、登場

「ケンタくん、大丈夫。ゆっくり一緒に整理しよう。
まず、なぜこんなトラブルが起きたのか、
順番に説明していくね」

12
#12

社会のルール=「義務」と「守り」

税・保険・年金は、怖いものじゃない。
安心して生きるための「共通ルール」なんだ。

13
#13

「義務」って怖い?

本質は「みんなで支え合う約束」。
困った時に自分が守られるための土台になる。

14
#14

フリーランスで働くなら、最低限この知識を

会社員と違って、自分で手続きが必要。
でも大丈夫。これから一緒に学んでいこう。
まずは、なぜこんなトラブルが起きたのか、
基本の用語から順番に説明していくね。

15
#15

扶養ってなに?

「扶養」とは、
「親の収入という名の『傘の中』に入れてもらってる」状態のこと。
親が君を守ってくれているから、
君自身は保険料や税金を払わなくて済む仕組みなんだ。

16
#16

基礎控除と給与控除のざっくりイメージ

このあと出てくる「48万」や「103万」の壁は、
ざっくり言うと「ここまでは税金を軽くしてあげるよ」という枠の話。
みんなに共通で引けるのが「基礎控除48万」。
アルバイトの給料だけに特別についているのが、
48万+55万で103万になる「給与控除」のイメージだよ。

17
#17

扶養に入っていると、何が楽になる?

扶養に入っていると、2つの負担を親に軽くしてもらっている:
① 親の税金が軽くなる枠(扶養控除)
② 健康保険(保険証)の負担
君自身の稼ぎが小さいうちは、君の税金はそもそもほとんどかからない、
ということも多い。親の「お金と保険の枠」の中に入れてもらっている状態なんだ。
※年金は別。20歳以上は原則、国民年金に加入。
払えない時は「免除/猶予」を申請して守りを残す。

18
#18

そもそも税金って?

さっきの「2つ」のうち、まずは1つ目の「税金」から。
収入が発生したタイミングで義務が生じる税金は、2つある:
① 所得税:国に払う税金
② 住民税:地域に払う税金
どちらも「稼いだお金」にかかる税金だけど、
支払う時期が違うんだ。

19
#19

所得税と住民税、支払う時期が違う

所得税

今年稼いだら、
来年の2〜3月に
確定申告して払う。

住民税

今年稼いだら、
再来年の6月から
払い始める。

同じ年の収入なのに、支払う時期が1年違う。

20
#20

なぜ住民税は支払いが遅いの?

住民税は、所得税の金額を参考にして計算される。
だから、所得税を先に確定してから、
その金額を元に住民税を計算する必要があるんだ。
そのため、支払いのタイミングが1年遅れる仕組みになっている。

21
#21

どうやって税金を払うの?

フリーランス:確定申告で金額が決まったあと、
自分で納付書や口座振替で「まとめて払う」スタイル。
会社員:会社が毎月の給料から「源泉徴収(天引き)」して、
代わりに所得税や住民税を払ってくれている。
だから会社員は、普段「自分で払っている感覚」が薄くなりやすい。

22
#22

所得税を決める儀式=確定申告

その「所得税を先に確定する」儀式が、
「確定申告」ってやつなんだ。
「どれだけ稼いだか」を国に申告して、
所得税の金額を決める作業のこと。
会社勤めの人は、会社が代わりにやってくれる。
でも、フリーランスは自分でやる必要がある。

23
#23

確定申告の時期とやること

時期:毎年2月16日〜3月15日
やること:
① 前年の収入と経費を整理
② 税務署に申告書を提出(郵送・ネット・窓口)
③ 所得税の金額が決まる
④ 税金を払う

24
#24

確定申告が必要な人って?

実は、フリーランスだけじゃない。
以下の人は、確定申告が必要になる:
① フリーランス(個人事業主)
② 副業で20万円以上稼いだ人
③ 給与以外の収入がある人

25
#25

副業で20万円以上稼いだ人も

会社員でも、副業で20万円以上稼いだら、
確定申告が必要になることがある。
会社の給与とは別に、
副業の収入も申告する必要があるんだ。

26
#26

確定申告をしないと、どんなリスクがある?

確定申告をしないと、以下のリスクがある:
① 延滞税・加算税がかかる(税金が増える)
② 税務調査が入る可能性
③ 所得証明が取れなくなる
④ 社会での信用が下がる
⑤ 青色申告の特典が受けられない

27
#27

延滞税・加算税ってなに?

申告期限を過ぎると、
本来の税金に加えて、
「延滞税」や「加算税」が上乗せされる。
放置すればするほど、
支払う金額がどんどん増えていく。

28
#28

所得証明が取れなくなる

確定申告をしていないと、
役所で「所得証明」が取れない。
アパートの契約や、
クレジットカードの審査などで
困ることになる。

29
#29

そもそも、1円でも稼いだら税金はかかるの?

「少しでも稼いだら、すぐに税金を払わなきゃいけないの?」\ 答えはNO。\ 「ある一定の金額」を超えるまでは、\ 所得税はかからないルールがあるんだ。

30
#30

ここで出てくる「壁」3つ

よく聞く「48万」「103万」「130万」は、
何のルールかがバラバラ。まず地図を作ろう。
48万・103万:税金(所得税)の話
130万:保険証(健康保険)の話

31
#31

48万:フリーランスの所得税の目安

フリーランスは「売上−経費=稼ぎ(利益)」で判定。
この稼ぎが48万円以下だと、
所得税が0になる目安(みんなに共通の枠)になる。
「48万円以下だったよ」と正しく証明するためにも、
確定申告はきちんとやっておこう。

32
#32

103万:アルバイトの所得税の目安

アルバイトは「給与(給料)」で判定。
給与には“まとめて引ける枠”があるから、
給与が103万円くらいまでなら所得税が0になりやすい。
さっき出てきた「基礎控除48万」と、
アルバイトだけの特別な枠(給与控除55万)を足して、
48万+55万=103万というイメージで覚えておこう。

33
#33

130万:保険証(健康保険)の目安

130万は税金じゃない。
親の健康保険の「扶養に入れるかどうか」の目安。
超えると、自分で国保に入る(保険料を払う)
段階に進むことが多い。

34
#34

国民健康保険(保険証)の基本

病気や怪我の時に医療費を3割にしてくれる仕組み。
扶養から外れたら、基本は自分で加入手続きが必要。

35
#35

国民年金(20歳以上)の基本

年金は保険証とは別物。
20歳以上は原則、国民年金に加入。
払えない時は「免除/猶予」を申請して、
守り(障害年金など)を残す。

36
#36

給与と「報酬」は別もの

雇用契約で会社からもらうお金 → 「給与」
業務委託で自分が請求してもらうお金 → 「報酬」
フリーランスは基本、給与じゃなく報酬(売上)で稼ぐ。

37
#37

フリーランスの収入の見方

売上(もらった合計) − 経費(仕事の支出) = 稼ぎ(利益)
例:売上100万 − 経費30万 = 稼ぎ70万
この「稼ぎ」を元に、税金や一部の判定が進む。

38
#38

レシートは「証拠品」

フリーランスにとって、レシートは「お金の証拠品」。
仕事に使ったお金を証明できれば、
税金や保険料を安くできることがある。
日頃から、レシートを箱に入れておこう。

39
#39

どんな出費が「経費」になる?

「仕事のために必要だったかどうか」がポイント。
ノートPC・ソフト代・本・道具代だけじゃなく、
打ち合わせで使ったカフェ代や、仕事用に買った日用品も、
内容しだいで経費として認められることがある。

40
#40

扶養を抜けたら、何をすればいい?

まず、どこに行けばいいか整理しよう。
① 市区町村の役所(国保・年金の手続き)
② 税務署または税務署のホームページ(確定申告)
それぞれ、必要な書類と手続きがあるよ。

41
#41

国保の手続き(まずここ)

どこに:市区町村の役所(保険年金課など)
何を:国保の加入手続き
ポイント:保険料がきつい時は「減免」を相談できる。

42
#42

年金の手続き(20歳以上)

どこに:市区町村の役所(保険年金課など)
何を:国民年金の加入+免除/猶予の相談
ポイント:未納のまま放置しない。申請で守りを残す。

43
#43

裏技の呪文「減免」

「収入が少ないので、減免はありますか?」

44
#44

役所は「ガイド」

敵じゃない。困ったときに「助けて」と言えば、
今の状況に合った方法を一緒に探してくれる。

45
#45

1年後:日々の変化

机の上に「レシート箱」。
自宅で少しずつ、安心して仕事を続けられた。
「慣れてくると、できることが増えてきた」

46
#46

2月:初めての確定申告

「正しく申告。
これで俺の信用がまた貯まるぞ」

47
#47

成果:安くなった通知書

正しく手続きしたおかげで、
無理のない金額に調整された。

48
#48

成果:信用が増えた

所得証明が取れるようになり、
契約や審査も少しずつ通りやすくなった。

49
#49

自由の本当の意味

面倒なことから逃げるのが自由じゃない。
ルールを知って、自分で自分の生活をガードすること。

50
#50

ラストメッセージ

「焦らなくていい。できる一歩からで大丈夫」

51
#51

Q&Aコーナー

素朴な疑問を解決しよう

52
#52

Q:何で給与にだけ55万も控除が設定されてるの?

フリーランスだって立派な稼ぎなのに。

53
#53

A:給与は経費を出しにくいから

給与をもらう人は、通勤・服・資格など仕事の出費があっても
「経費」として個別に出しにくい。
だから国が「まとめて差し引く枠」を用意している。
フリーランスは経費を自分で出せる分、同じ発想で調整できる。

54
#54

Q:フリーランスにとっての消費税って?

フリーランスが一定以上の売上になると、
「報酬の中に含まれている消費税」を国に納める役割が出てくる。
売上がまだ小さいうちは、消費税を納める義務がない人も多いけれど、
将来売上が増えてきたら関わってくる、大きめのルールだと思っておこう。

55
#55

Q:インボイス制度って何?

最近よく聞く「インボイス制度」は、
消費税のための「正式な請求書ルール」のこと。
消費税は、売上が一定額を超えた人だけが
「預かった消費税」を国に納める仕組みだけど、
今までは、その管理が少しあいまいなところもあった。
そこで法律が変わって、「誰がどれだけ消費税を預かっているか」を
はっきりさせるための制度がインボイスだと思っておけばOK。

56
#56

エンディング

お金や税金、保険のルールを知ることは、
「怖い仕組みに縛られること」じゃなくて、
自分の生活を自分で守れるようになる、ということ。
今日聞いた話は、今すぐ全部覚えなくても大丈夫。
「いつかフリーランスで働けるようになったとき、
ここに戻ってくればいいんだ」と思ってくれたらうれしい。